前回のコラムでデッドクロスを回避する方法として、事業開始当初から内部留保を進めていくことの重要性を解説いたしました。
今回は、そのために『資金を稼ぎ、そして残す』方法についてです。
稼ぐ方法としては、空室などの機会損失をなくすことはもちろん、家賃を維持させることも大切です。それにはハードやソフト面での付加価値アップが必要ですが、管理の面でも工夫が求められます。
リスクを減らしながらキャッシュを残す
ここでご説明したいのは、デッドクロスによる資金繰り悪化を回避する『リノリースバック』導入の有効性についてです。
『リノリースバック』は、リノベーションを実施した部屋に対し、リノリースCLUB本部が法人入居者として10年間にわたり借用し、賃貸経営のサポートを行うというものです。先行きの見えないリノベーションや従来のサブリースとは全く違い、投資に対する効果が目に見える、これまでにない画期的な賃貸経営の改善策です。
「稼ぐ」「リスク回避」「節税」は『リノリースバック』の大きなメリットなので、本当に納得していただける仕組みです。
機会損失を“0”にして「稼ぐ」
デッドクロスで破綻する原因は、要するに「手取り金額の減少」といえます。つまりデッドクロスを回避するには、「支出をできるだけおさえて、手取り金額を増やす」ことがポイントになります。
さらに、デッドクロスが発生する、築15年頃から賃貸市場での競争力が落ちてくるため、空室が増え、家賃が下がってゆくことで収入が減る傾向にあります。キャッシュフローはさらに悪化することが予想されます。
「リノリースバック」は、10年間家賃保証となりますので期間損失がゼロになり、相場家賃の95%で安定して稼ぐことができるようになります。また原状回復費用、募集広告料、管理費等の経費がかかりませんのでキャッシュフローがさらに改善されます。
賃貸経営の様々な「リスク回避」に効果あり
賃貸経営には様々なリスクが潜んでいます。「入居率の低下」「家賃の下落」がその代表格ですが、「家賃の下落」ひとつ取っても、様々なリスクが付随しているのです。
- 物件価値の低下 ~物件価格は利回りから算出されるため、利回りが下がって売却時の価格が安くなるリスクが高まる。
- 入居者属性の低下 ~質の悪い入居者が入ってくるリスクが高くなる。
- 家賃滞納の増加 ~入居者の属性が下がると家賃滞納のリスクが増加する。
- 入居者トラブルの増加 ・入居者マナーの低下~入居者の属性が下がると物件内が荒れて既存入居者の退去につながるリスクが高くなる。
- 既存入居者からの家賃値下げ交渉の増加 ~長く住んでいる方との家賃と格差が生じることで、既存入居者より値下げ交渉が入るリスクが高くなる。
「リノリースバック」は、「入居率の低下」「家賃の下落」を改善することで、それに伴う賃貸経営の様々なリスク回避に効果を発揮します。
リノベーションが「節税」になる
修繕は、通常発生するものと、大規模修繕があります。税務上では、その内容によって、「修繕費」か「資本的支出」に分かれます。「資本的支出」となった場合は、減価償却費として複数年かけて経費化していくことになします。「修繕費」となった場合は、必要経費となりますので、そのリノベーション工事が完成した年に一括で経費にすることができますので、税金は減少します。「修繕費」と「資本的支出」では、税務上の扱いが異なり手残りに差がつくことになります。
「リノリースバック」の再生術は、表層を中心としたリノベーションのため、工事項目の多くが単年度償却の「修繕費」として計上でき節税となり、支出を削減しオーナー様のキャッシュフローを改善します。
1.納税額が減る(導入初年度)
2.原状回復工事費負担・募集広告料の支出がなくなる
3.機会損失がなくなる
あとがき
ゴールデンウィーク中にもかかわらず、4回の連載をお読みいただき誠にありがとうございました。今回はデッドクロスについて書きましたが、いかがでしたでしょうか。
どのようにリスクを減らしてキャッシュを残すかは賃貸経営の永遠の課題であろうかと思います。デッドクロスはどんな物件にも起こりうることで、その仕組みを知って攻略してゆくことは大事なことです。
回避策には様々な方法がありますが、「リノリースバック」を選択肢のひとつとしてご検討いただければ幸いです。25年の不動産業界で培った知識と経験で誠心誠意サポートさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
室長 松田
前回のコラム:節税対策を意識しよう(3) ~デッドクロスの対策