【質問コーナー】少子高齢化により人口が減ってますが・・・。

お悩みオーナー様の【質問コーナー】

【Q】少子高齢化により人口が減ってますが賃貸経営には問題ないでしょうか?

最近の不動産投資に関する本を読んでいると、必ずといって「これからの日本は少子高齢化に伴い人口が減少するので対策が必要だ」と書いてあります。賃貸管理の現場からみて札幌の現状はどうなのでしょう。何か対策があればご教授ください。

質問者:ニックネーム/スマート大家(神奈川県在住)
物件:木造アパート(札幌市中央区)

 
【A】少子高齢化、人口減の中にあって、今後の不動産経営はどうあるべきかは大きな課題です。

平成27年度版 厚生労働白書によると、日本の総人口は45年後の2060年には8,674万人に減少、65歳以上人口割合は約40%に達すると推計とあります。数字はあてになりませんが、このままゆくと人口減少は避けられない状況と考えてよいでしょう。これで賃貸経営に問題がないわけがないと考えるべきです。

(札幌市の年齢構成比の推移)



札幌市 区別の人口推移 高齢者割合の推移

(札幌市の区別の人口推移、高齢者割合の推移)


~札幌市の高齢化~
上のグラフは、札幌市が公表している「年齢構成比の推移」「区別の人口推移」「高齢者割合の推移」です。2012年1月に策定した「札幌市総合交通計画」の計画書に記載された「人口減少と少子高齢化、都市内過疎」から引用しております。

この資料によると、資料作成当時「札幌の人口は2015年以降は人口減少に転じる見通し」とありますが、実際は今も緩い増加を続けています。転入超過数、つまり一定期間における転入数が転出数を上回っている人口ということですが、全国トップ3は東京23区、札幌市、福岡市となります(2011~13年)。

転入者が多いということは札幌もまだまだ安泰と思うかも知れませんが、その年齢構成が問題なのです。トップ3の中で、札幌市は高齢者の転入者が目立つ内容です。60代、70代、80代、90歳以上のいずれのカテゴリーも、全国で断トツの1位。福岡市は若い世代が多く極めて対照的です。

道内では多くの地域で過疎のため病院経営が難しくなっており、多くの病院が札幌市内へ集中、そのせいで道内で高齢者の札幌移住が加速しているという背景があるとのことですが、高齢者が雪かきなどの負担を避けるため札幌のマンションへ移り住むといった、北国ならではの理由もあるようですね。もともと道内では札幌への人口一極集中が際立っていましたが、学校や就労先が集中していることで若者の転入と理解していたのですが、今では事情が違っているようです。

人口増の札幌ですが、高齢化が急速に進む要素が大きいと言えるのではないでしょうか。

また、高齢者世帯の形も変わってきており、高齢者単身世帯や高齢夫婦世帯が増加しています。高齢者世帯総数に対して既に6割を超えており、むしろ高齢者の一般的な世帯となっています。つまり孤独な老人世帯が増えているということです。

現場の感想としては、まだ高齢者に偏っている印象はありませんが、実際に賃貸物件を求めている高齢者はたくさんいらっしゃいます。これからは、「一人暮らしの高齢者を対象にすること」を積極的に考える必要があるでしょう。有効な空室対策であり、大きな社会貢献にもなります。しかし、孤独死、認知症をはじめとした高齢者ならではのリスクがあり、もしもの時にはオーナー様にも相当なダメージがあることも確かです。

積極的かつ慎重な対応が求められます。
 

~札幌の人口推移の予測~
札幌市内において地域によって特徴はあるのでしょうか。この資料によると、「近年の傾向として、鉄軌道沿線や新興住宅地では人口増加が見られる一方で、郊外住宅地で高齢化と人口減少が生じています。」とあります。

つまり利便性のよい地下鉄やJR、市電などの沿線、「中央区」や都市部に近い「北区」、「清田区」のような新しい住宅地に人口が増加してゆく。「南区」のような郊外住宅地では人口減少と高齢化が急速に進行すると、2030年の札幌の姿を予測しています。

まあ、納得できる説明ではありますが、少々ざっくりし過ぎている印象ですね。しかし、近い将来変化がやってくることが規定路線なのですから、中長期的なことを視野にいれつつ、常にアンテナを張ってゆくことは必要でしょう。
 

~札幌の外国人事情~
外国人も有力な入居者候補となることが考えられます。入国管理局の統計によると東日本震災の影響を受けて減少傾向にあったのですが、2013年に再び増加に転じ、2016年の在留外国人は約238万人に上っています。

ちなみに、北海道内に住む外国人数は25,692人。札幌市内に住む外国人数は 10,323人と北海道に住む外国人の約40%が札幌市内に住んでいます(2016年12月末)。札幌では外国人観光客を多く見かけますが、居住者についてのデータをみると総人口に占める外国人の割合が政令指定都市の中で最も低く、外国人の多い大阪市や浜松市などと比較すると10分の1程度しかいません。

道内に住む外国人数はここ数年で大きく増加していますが、札幌市内に住む外国人の数はあまり変わっていません。在留資格は「技能実習」が最も多いところから、技能取得を目的に札幌以外に多く入ってきているようです。札幌だけでみると、在留資格は「永住者」「特別永住者」「日本人の配偶者」や「留学」が多いようです。

国籍は、多い順に「中国」「韓国・朝鮮」「ベトナム」「台湾」「フィリピン」で、「中国」が全体の3割を超えアジアの人が多くを占めています。居住している区は、「北区」が最も多く、ほぼ並んで「中央区」、次いで「東区」「豊平区」「西区」と続きます。

札幌の外国人の賃貸市場は、ほかの都市から比べてやや小さいようですが、利便性のよい「中央区」や北大周辺の「北区」などは、留学生の賃貸需要も取り込んでゆくことが可能です。特に、浴室トイレが一緒のユニットバスなど、日本人の若者に敬遠されがちな古いタイプの物件も気にしないケースが多く狙い目です。
 

~ポイント~
地域の特色や入居者層を見据えて、ターゲットを絞った部屋づくりや賃貸募集が求められてゆくのではないでしょうか。

分かり易いところで、南区には高齢者が多い、北大の近くならば学生や留学生をターゲットにするようなことです。部屋づくりも客層を絞って、高齢者であれば、あえて和室にするとか、バリアフリー化をすすめるとか、今まで内装も万人受けするものにする傾向がありましたが、こちらが借りて欲しい客層にアピールする物件にしてゆくことが逆に必要なのでしょう。

現在の賃貸市場では一般的に、高齢者、年金受給者、生活保護者、外国人等は、入居者としては敬遠されているといえるでしょう。しかし、これからの時代は今まで避けてきた方々を積極的に入居対象として考えてゆかなければならないでしょうね。これが大きな市場となるのですから。

 


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